反田恭平さん
昨年のショパン・コンクール第2位というもの凄いピアニスト! というだけでなく、独自の音楽レーベルの立ち上げや、自ら創設したジャパン・ナショナル・オーケストラのプロデュースなど多岐に亘る活動をされている音楽家です。
NHK・FMに「反田恭平のピアノ・ジャム」という不定期の番組があります。
3月21日に第4回目がありました。
ゲストに荒木奏美さん(オーボエ奏者)、八木瑛子さん(フルート奏者)、常田俊太郎さん(実業家・バイオリニスト)を迎えての1時間40分でした。
いやあ、素晴らしいですね。
テーマ・ミュージックがジャズ風というのもワクワクします。
荒木・八木のご両人は反田さんのオーケストラのメンバーです。
指揮者とオーケストラの関係等、3人が語る音楽づくりの話が、従来のクラシックの枠を超えようかという衝撃!
反田恭平とその仲間たちの視点に共感です。
クラシック音楽は1000年以上、バロックからでも400年を超える歴史があります。
その中で、数多くの音楽家が、音楽を造り、演奏をして音楽の成熟に情熱を傾けてきました。
音楽演奏の記録も、1877年のエジソンに始まり、現在のデジタル録音へと発展してきました。
現代は、これらの歴史的名演をいつでも聴くことができる時代になりました。
以下の意見は反感を猛烈に浴びそうなのですが・・・
音楽家の方たちが、クラシックの名曲の数々を、深く研究し演奏されていることは、充分感じてはいるのですが、少し歴史的な演奏を意識しすぎていませんか? 音楽家もファンも。
「あんた、わかってないねえ、クラシックは演奏家によって全く違う表情をみせるんだよ」
仰る通りです。
私もグレン・グールドのモーツァルト・ピアノソナタは大好きです。
でもこういう大胆な解釈の、もの凄い演奏をする音楽家は多くはありませんよね。
ジャズの場合ですが、同じ曲を演奏しても、その演奏の違いはクラシックの比ではありません。同じ曲とは思えないような場合もあります。
ジャズは即興演奏を主にする音楽ですから、特に違いは際立ちます。
クラシックに於いても、古典派以前はそのような余地はかなりあったのではないでしょうか。これは一例ですが。
もっと変化・進化が欲しくはありませんか?
例えば、協奏曲のカデンツァは、独奏者自身の創作を演奏した方が、興味深いものになると思いませんか?
そこには協奏曲中の独奏とカデンツァの相互作用も生ずると思います。
私は、過去の名演奏家のカデンツァを現代の演奏家がそのまま弾くことについて、少し違和感を持ってしまいます。
その他、旋律やリズム、そして使用楽器や、果ては調性も、変化・進化の対象にしていいのではないでしょうか。
大作曲家の名曲を、名演奏家の名演を、素晴らしいスタンダードとして、そこに現代の発想を加えて、現代の表現をする、そういう時代に来ているように、私は思うのですが。
現代音楽家の能力をもってすれば、さもない事だと思います。
最後に
反田恭平さんの指揮法のお師匠さんは、キリル・ペトレンコのお師匠さんだそうです。楽しみですね。
「反田恭平のピアノ・ジャム」、聴き逃し配信で繰り返し聴いてしまいました。