ジャズとテニスの雑記帳

ジャズ・テニスそしてオーディオやミステリーについての日常を綴ります

オーディオ備忘録 56 ジャズ喫茶「ベイシー」の思い出 その2 ジムラン

サウンド オブ ジャズ」のPROLOGUEに、こんな一文が・・

 

そして、「JBL」のことを、ムカシの人はよく「ジムラン」と呼んだ。

 

そうでしたね、私もジムランと言っていました。

 

初めてJBLのスピーカーを聴いたのは、1967年新宿のダイナミックオーディオのショウルームでのこと。

SP-LE8Tを山水のアンプの777、新製品の666で鳴らしてもらいました。

おっと! KOパンチが飛んできました!

 

お店には、ガラスケースの中に、JBLのSA-660もありましたが、買う可能性のない大学生の身分では、聴かせて!とはとても言い出せませんでした。

いま思えば、SA-660、聴いとけばよかったなあ・・

 

その頃は、ジムランと言うのが普通だったと記憶しています。

それも、三拍目の「ラ」を半音上げたようなイントネーションで。

 

JBLをジェー・ビー・エルと呼ぶことが多くなったのは、1970年代に入った頃からでしょうか? 

理由は知りません。呼びやすいし、お洒落だから? あるいは、メーカーの希望だったのかなあ?

 

私は、今はもうジムランとは言いませんね。そんなことをしたら「変なじじい」と思われるだけで、いいことはありません。

 

で・・

前回書いたジャズ喫茶「ベイシー」を訪問後、しばらくして私もジムランを買いました。

130AとLE85です。バスレフの箱を自作しました。

アンプはオンキョーP306とラックスMQ68Cを導入。

 

130AとLE85は、現在の3ウェイ4スピーカーの中に現役として残っています。

アンプの方もサブのPEGASUSを鳴らしています。

 

現在の拙宅のジムラン(言ってますね)がこちら

 

ミッドのドライバーが2482、ホーンはヤマハの1230で400㎐のクロス

ブルツイーターは3500㎐からLE85、075はコンデンサーカット

 

ジャズ喫茶「ベイシー」の系譜と自称しています。

 

オーディオ備忘録 55 ジャズ喫茶「ベイシー」の思い出 その1 訪問

ジャズ喫茶「ベイシー」店主 菅原昭二さんの著書

サウンド オブ ジャズ! JBLとぼくがみた音

 

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この本は、STEREO SOUND誌に連載された記事を中心に構成され、何回か出版されています。

私の持っているのは2007年発行の文庫本。あとがきや解説が新しくなった版です。

あちこちに付箋(私の)が貼られています。

 

私は20歳前からオーディオへの関心がありましたが、現役時代はそうそうのめり込むことができるわけではありません。本格的にスピーカーの音に耳を澄まし始めたのは宮仕え終了後です。

そんなオーディオファンの羅針盤たる一冊です。

 

1970年代から、JBLのシステムを使い、圧倒的なジャズサウンドを出していると、全国に鳴り響いていたジャズ喫茶「ベイシー」サウンド

 

ジャズオーディオファンとしては一度は聴いてみたい音でした。

しかし、当地の静岡市岩手県一関市は同じ東日本とはいえ、決して近くはありません。直線距離で500km余。

ベイシー訪問だけを目的に行くことは、家族4人を抱えた勤め人の経済では許されませんねえ・・・そこはまあ・・運よく福島県への出張があり、その翌日に有給休暇を使って足をのばすことができました。

1980年頃のことだったと思います。念願のベイシー詣や!

 

夜に一関に着き、駅前の居酒屋で地元の情報を仕入れます。旅先の酒は何故旨い!?

 

翌日、雑誌の写真で見覚えのある「ベイシー」に開店時間前に到着。

店の前でボーっとしていると、難しそうな顔の男が・・・店主菅原昭二さんでした。

 

「なに!静岡から! すぐ開けるよ」と嬉しいお言葉。

静岡のお茶を土産に差し出したからではないと思いますが、アート・ペッパーのレコードに合わせたマスターのドラム演奏を聴くことができました。

 

また、岩崎千明さんや西条和尚の訃報にふれ、「いい人はどんどん亡くなっていく」と寂しそうにされていたこと思い出します。

 

ベイシーサウンドは・・・

極めて自然なサウンド。音のことは忘れて、ジャズに聴き入ってしまうサウンドだったと記憶します。

店の中で知り合った、学生とおぼしき青年も「いい音ですねえ、演奏を聴いちゃいますね」と、私と同類の感想でした。

 

音を聴きに行って、音楽に没頭してしまう! オーディオの原点ではないでしょうか。

 

オーディオマニア度の低い私は、良くやります!

「どう?」と聞かれて、「エッ?」。そうです、マニアのサウンドを聴かせていただいているのに、音はあまり聴いていないのですねえ・・・

 

それはともかく、その後まもなく、私もJBLを購入することになりました。

 

新シリーズでは、菅原さんの著書「サウンド オブ ジャズ」を読み返しながら、ジャズサウンドに思いを馳せていきたいと思います。

 

オーディオ備忘録 54 シーメンス17e の音

クラシック音楽用のシステムとして、シーメンス2ウェイを軸とする5ウェイの完成度が高まり、このシステムで音楽に没頭する時間が増えてきました。

 

一方、システムのミッドバス担当?から外れたユニットのシーメンス17eは、フルレンジで鳴らして音の状態を確かめているところです。

 

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17eは入手時からミッドバスとして使っていたため、フルレンジでの音の傾向は掴んでいませんでした。

今は毎日少しでも鳴らすようにしています。

 

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現在感じる音の傾向としては、同じシーメンスの22aや22cよりも柔らかいということ、音の切れは先の2機種に比べると控え目である、といったところでしょうか。

 

また、国産のフルレンジに比べると、楽音の出方が少し違うように感じます。

月並みですが、ヨーロッパの、特にドイツのオーケストラと日本のオーケストラの響きの違いのようなものを感じます。

 

管楽セクションも弦楽セクションも、日本のユニットからはなかなか聴き取れない響きがあるように感じます。

 

知ったかぶりの話になってしまいました。あくまでも個人的な妄想です。

 

17eは写真のとおり、円筒型の小型エンクロージャに入っています。

聴く位置はかなり近く、17eの芯々の間隔が1m、耳の位置は各ユニットの芯から  1m50㎝というニアフィールドで聴いています。

音量は小~中音量になりますね。

 

オーディオ備忘録 53 ホーン館のボロトレーンさん

ボロトレーン邸に遊びに行ってきました。

 

こちらでは、4っつの部屋にホーンシステムが置いてあります。

今日は三つ聴きました。

 

二階のJBL

ドライバーはチタン振動板の2490、ホーンの型番は失念しましたが、一辺112cmの大型ホーンです。フルレンジでも使えそうなホーンです。

 

アンプが変わっていました。エルサウンド魔改造MOS-FETのアンプです。

私の写真はボケていました。オーナーから写真のご提供がありましたので差し替えです!

SN比が凄くいいです。トランジェントも良く、澄みきった音です。

 

一階の励磁コンビです。リストのウーファーにRCA由来のドライバーです。ゴトーのホーンが美しい。

久し振りにRCAを聴かせてもらいましたが、家で出したい音ですね(無理ですが)

励磁は良いです。血が温かいです。

 

メインのエール。相変わらず凄い音ですね。

不思議なのは、励磁と似た音がすることです。このオールホーンの音は、柔らかくて温度感に溢れています。

 

こういう○○○○みたいなマニアの方の音が聴けるということは、幸せです。

「現代音楽」の愉しみ

現代音楽が好きです。

聴くと惹きつけられますね。

 

現代音楽の定義は多岐に亘ると思いますが、私の興味は、オーソドックスにシェーンベルク・ベルク・ウェーベルンが起点です。

 

現代音楽の影響はクラシック以外の分野にも及んでいて、例えば、ジャズ奏者のアンソニー・ブラクストンやエリック・ドルフィーは確実に影響を受けている筈です。

 

日本においては、故人の武満徹芥川也寸志はクラシカルな現代音楽家、他に次世代の現役作曲家も大勢います。

私は小編成が好みです。

楽曲の音がクリアーで繊細なので、オーディオによる大音量再生が楽しめる音楽です。

 

このような音楽を楽しめる番組のひとつがNHK・FM放送の「現代の音楽

日曜朝8時放送、聞き逃し配信も是非どうぞ! NHKの回し者みたいですね。

 

なお、昔、マイルスが「俺の音楽をジャズと呼ぶな! 俺のやってるのはcontemporary  music だ!」 と言ってましたね。

たしか、ジャズ論議の流れの中での発言だったと思います。どういう意味の発言か? 真意は本人でないとわからないですね。

(電化マイルス時代のお言葉です)

 

 

 

 

 

 

「聴き逃し配信」の愉しみ

NHK・FM放送の聴き逃し配信番組が4月から増えたようです。

 

これまで利用していたのは

 

ジャズ・トゥナイト

世界の快適音楽セレクション

リサイタル・パッシオ

  

の三番組でした。

 

他に、私が聴きたいと思っていた番組の配信が増えました。

 

現代の音楽

名演奏ライブラリー

 

の二つです。

先の三つと合わせての五つの番組は、レコーダーが壊れる前、タイマー録音していた番組です。

 

この中には、リアルタイムで聴いている番組もありますが、配信はやはり便利です。

 

特に、「現代の音楽」はリアルタイムで聴けない時間帯なので嬉しいですね。

 

「日曜朝の8時なら聴けるやろ?」

それが、なかなか大変なのです。

 

私は朝7時に犬を散歩に連れて行き、帰宅して朝食を済ませ、歯を磨いて朝刊を読む。

このルーティーンがあってですね、8時に間に合わないのです・・・

 

また、聞き逃し配信は「聴きなおし」ができることも大きな利点ですね。

「一期一会」も集中できていいものですが、「一週多会」も実用的でとてもいいものです。

オーディオ備忘録 52 シーメンス22a のその後

クラシック用5ウェイのミッドバスユニットを、シーメンスの17eから22aに換装して約半月が過ぎました。

 

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この半月間、クロスオーバー周波素、スロープ、レベル等を調整してきました。

 

換装してすぐに感じたのは、22aの方が能率は約2㏈高い、低域のエネルギー感がある、高域のピークはほぼ同じ、柔らかさは17eの方がある、というところでした。

 

当初、22aの守備範囲を125㎐から4KHzのワイドにとれれば、まとまりのあるシステムになっていく・・・と目論んでいました。

 

しかし、この範囲で22aを使うと、拙宅で求める音量(やや大きめ)においては緻密さに問題が出ることがわかりました。帯域内の音密度が少し薄くなります。

 

結果として、受け持ち帯域は17eの時と同じ、250㎐から2K㎐ 18㏈/oct に落ち着きました。

同じ分割帯域ですが、22aの方が音に厚みがあります。

 

ユニットの振動板の位置は耳で決めます。センターキャップの位置ではありません。

この22aを組み込んだ5ウェイの追い込みはかなりできてきたと思います。

 

音色は、わずかに寒色系の中域~低域をベースにした、解像力に優れたものになりました。

 

ピアノソロ、無伴奏バイオリンから弦楽四重奏、協奏曲、交響曲、オルガンまですべてこなしてくれます。

250㎐以上を、基本的に20㎝2ウェイで再生し、それにウーファー、スーパーウーファーそしてスーパーツイーターを足している5ウェイのため、音像は肥大しません。

一方、音場は左右前後に広く深く、上下も不満はありません。

 

また、もっとも大事なことだと思いますが、音が空間で融合し音楽を醸しだす様が目に見えるようです。

 

マーラーをじっくり聴きたいですね。

 

今後の鳴らしこみ、微調整で更に成長していくと思います。楽しみです。

 

5ウェイ・システムの覚書です。

音工房Zリボン      10KHz以上

シーメンス28a     2K㎐以上

シーメンス22a     250㎐~2K㎐

JBL4412Aウーファー  250㎐以下

ヤマハSW1000      40㎐以下

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システムの手前の筒形のものは、17eが収まったエンクロージャ?です。

17eを、使うにしても、手放すにしても、性質を見極めたいと思い、クラシック用サードとしてフルレンジで鳴らしています。