エリック・ドルフィーの未発表テイクを集めたLP
1960年と1962年の録音。1962年はJim Crowのみ。
ドルフィーの友人が録音テープを保管し、後年、ドルフィーの親の許可を得てレコード化されたもの、とあります。
ドルフィーの演奏の中では珍しいと言える盤だと思います。
珍しいことのひとつは、「Jim Crow」のように黒人差別の象徴的表現が曲名になっていること。
マックス・ローチの「WE INSIST!」を思い起こします。
もうひとつの珍しいことは現代音楽との関係です。
ドルフィーが現代音楽や民族音楽を研究していたのはファン周知のことですが、作品として現代音楽を色濃く出したものは、あまりない筈です。
ドルフィーはビバップの発展の追求者としてのアヴァンギャルダーです。
その点で、このアルバムは現代音楽寄りの実験的な雰囲気を感じます。
もうひとつの珍しいこと
ヴォーカル・ピアノ・パーカッション奏者が不明(行方でなく氏名が)となっていること。
このLPの共演者であるロン・カーターなら知っているのかな? 教えてほしいところです。
それにしても、興味深い演奏です。