エリック・ドルフィーとアヴァンギャルド・ジャズのレコードを紹介させていただいてきた「ジャズ愛聴盤」も20枚目になりました。
区切りのレコードは、エリック・ドルフィーの最後の録音(後述)とされる「ラスト・デイト」です。
1964年6月2日 オランダにて録音
ヨーロッパ楽旅中に、オランダのヒルバーサムで録音された、彼の地の若手有能メンバーであるミシャ・メンゲルベルク・トリオとの共演。
個人的には、このトリオの演奏は好みではありません。
メンゲルベルクのピアノはともかく、ただ無神経に叩いているように聴こえるドラムに、ドルフィーの演奏に拮抗するビートを感じることは、私にはできません。
しかし、ドルフィーはこのトリオとの再演を計画していたということですから、この感想は素人の戯言ということになります。
ドルフィーのソロは圧巻です。
フルート演奏の「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」をはじめ、各曲のバスクラ・アルトの音色・アドリブともにエネルギーに溢れた素晴らしいものだと思います。
よくぞ残してくれました。
体調も良さそうに聴こえます。
それが何故、ひと月も経たない6月29日に病死しなければならなかったのか・・・・
その後、6月11日に録音されたというレコードがこちらです。
「ラスト・デイト」は、当初「ラスト・レコーディング」という記述があったと思いますが、この録音の存在、そしてもうひとつの録音(マスターテープ消失)があったため最終録音という表現はなくなったようです。
「ジャズ愛聴盤」20選、私の狭い感性の趣くままに紹介させていただきました。
お付き合いいただきましたことに心から感謝申し上げます。