FM放送の「クラシックの迷宮」は日曜夜の放送です。
先月は開演に遅刻?してしまい、途中からのリスニングでした。
流れているバイオリンの名曲・・・
素晴らしい演奏です。
番組内容も確かめずにいたので、シェリングかな?と思いましたが、ちょっと違いますね。バイオリンもオーケストラも違う・・・誰だろう?
片山杜秀さんのMCで、ティボール・ヴァルガ(という人)だと知りました。
音楽が丁寧で温かい。音が生き物のように響く。
こんなバイオリニスト、いたかなあ?
ジャズファンの中では、クラシック・バイオリン好きを自認している私ですが、ヴァルガという人は知りませんでした。
下のCDは、名バイオリニストを網羅した5枚組セット。
ヨハヒム、サラサーテ、イザイの伝説の3人をはじめ62人の名バイオリニストが紹介されていますが、この中にも、ヴァルガの名前はありません。
このCDはEMIの出版なので、名バイオリニストでも入っていない人はいます。
個人的にはイツァーク・パールマンと五嶋みどりにも入ってほしかったですね。
脇道にそれました・・
調べてみたところ、ヴァルガは1921年ハンガリー生まれ。
世代の近いバイオリニストとして、1918年生まれのヘンリク・シェリング、1919年生まれのジネット・ヌヴー、1920年生まれのローラ・ボベスコがいます。
錚々たる顔ぶれですね。
当市の図書館にヴァルガのCDがありました。
4枚組の「ティボール・ヴァルガ へのオマージュ」
これほど素晴らしい音楽を紡ぎ出すバイオリニストが、何故有名でないのか?
答えはライナーノーツの中にありました。
「貴方は何故有名でないのか?」と聞かれて。
「私はソリストとしての仰々しいキャリアを積むつもりはありません。ソリストのキャリアを積み上げるということは、大きなビジネスを営むのと同等なのです。
私は音楽を売ることよりも音楽をプロデュースしたり演奏したりする方に興味があるのです。
私は自分のやってきたことに対して満足していますし、とてもうれしく思います。私は生活のためにヴァイオリンを持って飛行機であちこちの都市を回るのです。
私はキャリアのためではなく、音楽のために生きるのが好きなのです。」
一隅の音楽ファンとして、何となくですが、”心の核のところで感じる”ものがありますね。