現在、アメリカのテニス選手は強くありません。
かっては、マッケンロー、アガシ、サンプラスという、史上最強選手論議に必ず登場する凄く強い選手達がいました。
今、米国選手がどのくらい弱いのかのデータです。
2003年のウインブルドンでロジャー・フェデラー(スイス)が初優勝し、その年の全米オープンではアンディ・ロディック(米国)が初優勝しました。
問題はその後です・・・
2004年全豪から、先日終了した2022年全仏までの19年間のグランドスラム73大会で米国選手の優勝はゼロ!!
では、誰が勝っているのか・・・フェデラー(スイス)、ナダル(スペイン)、ジョコビッチ(セルビア)の3人で73回中61回優勝しています。
残りの優勝者は、マレー(イギリス)、バブリンカ(スイス)、ガウディオ(アルゼンチン)、デル・ポ・トロ(アルゼンチン)、チリッチ(クロアチア)、ティーム(オ-ストリア)、メドベージェフ(ロシア)の7人だけです。
地域別で言うと、南米(アルゼンチン)が二人いますが、他の11人(73回中71回の優勝)はすべてヨーロッパです。(この際、ロシアもヨーロッパ扱い)
そうです! ヨーロッパのテニスの方がアメリカンテニスより強いのです。
元テニス王国のアメリカがなぜ弱いのか!
原因はアメリカの選手のプレイスタイルにあると、私は思います。
以下は私見です。間違っていたらお叱りください。
アメリカの選手によく見られる特徴
〇強いサーブとフォアハンド
〇巧緻性に欠けるバックハンド
〇少なめの戦術
ヨーロッパ選手に共通する特徴
〇オールラウンドな技術とプレイスタイル(大きな弱点がない)
〇勝つための戦術の多様性
ある将来を嘱望されていた米国選手の敗戦後の言葉があります。
「俺は何も悪いこと(悪いプレイ)はしていない」というものです。
この発言、どう思いますか?
得意な面を伸ばす代わりに置き去りにされる部分(弱点になる)が、アメリカテニスにはある・・ような気がします。
現代テニスは、オールラウンドな闘いに変化しています。米国テニスは、この変化への対応に?を感じます。
欧州の選手なら、敗戦後「練習して、成長する」という言葉がよく聴かれます。勝っても「練習して、成長する」と言います。
ねえ、二つの発言、違うでしょ!
私の表現が下手なので、伝わりにくいですね・・・
試合中の選手の頭の中を覗いてみます。もちろん架空の話です。
とある米国選手
サーブドカーン! ヨシ!
サーブドカーン! 返ってきた! フォアハンドドカーン ヨシ!
サーブドカーン! また返ってきた・・ フォアハンドドカーン アウトか・・
サーブドカーン! また返ってきた! バックだ! おっとネットしちゃった
えっ、ゲームセット?
「俺は何も悪いことをしてない!!」
とある欧州の選手
相手の球質・攻撃パターンが読めてきたぞ・・
対応する戦術を実行できるようになった・・
一つの戦術では読まれる。ふたつ、できれば三つの攻撃パターンを使うぞ・・
ゲームセット
「今日勝てたことは自信にしよう。だが、もっともっと質を上げる必要がある。さ
あ練習だ」
20歳前後の急成長している若手選手のシナー(イタリア)、アルカラス(スペイン)、ルーネ(デンマーク)、みんなヨーロッパですね。
実はアメリカにも有望株がいます。
セバスチャン・コルダです。米国人ですが、父親はチェコの元世界2位の選手でした。彼のコーチも父親と同じチェコ人の元選手です。ヨーロッパ的と言えますね。
今思ったのですが、アメリカの選手って、コーチもアメリカ人が多いような気がします。
日本のジュニア選手もヨーロッパの選手のような成長をしてくれるのを待っています。
松岡さん伊達さん頼みますよ!!!
(米国テニスの不振には、もう一つの側面があると思っていますが、そのことはまたの機会に)