図書館の新刊棚で見つけました。
新刊といっても、2022年2月の発行です。
私の学生時代は、経済学は「近経」と「マル経」が二つの流れでした。
1991年のソ連崩壊とともに、「マル経」=マルクス主義経済学は衰退の一途をたどった・・と思っていましたので、この本を見つけて、まだあるの?と、びっくりしました。
1980年代後半のバブル景気のころ、カネ!カネ!カネ!と多くの人間が血迷っている渦中にいながら、「カネ!カネ!のこんな世の中では、反動で共産主義が復活しそうだな」と思っていた、私。
ところが、そんな心配はなく、どこの国でも共産主義思想は衰退していったように思います。
そこに、この本です! まだ、生きていたのか!
資本論学者から、どんな提案があるのかと興味深く読みました。
第4章 「脱成長」にこそ、真に豊かな未来がある
ここですね。
理念的なことは書かれていましたが、実現のための具体策については、残念ながら読む取ることができませんでした。
第4章中の3枚の図表です。
これで終わってしまうんですね。
この後が重要だと思います。
「資本論」は100年以上も前からの経済学ですから、とっくに実証実験でも行われていても不思議はないと思いますが、どうなんでしょうか?
そういえば、共産主義体制というのはありましたね。
ソ連は失敗しました。ロシアは残りましたが。
現在の超大国中国については、学者としてどう評価するのでしょうか?
著者の方、小さくても、例えばマル経特区の実践を試みていらっしゃるのか?
また、人間の欲望、悪意、異常性と、どう折り合いをつけるのでしょうか?
まさか、性善説がベースということはないでしょうが。
「100分de名著」シリーズなので、この本で入門して、専門書で勉強しなさい、ということかもしれませんね。
いずれにしても、資本主義も変わらざるを得ない時代になったと思います。
ただ、ビジョンを示すような知の存在がありません。
そういうお前には何かあるのか・・・
ありますよ。人に話すこともあるのですが・・ほとんどの人が、危機感が皆無で・・・
(赤のパンジーです。記事とは関係ありません)