全作品を読もうと思っている 湊かなえミステリー
第5作 夜行観覧車
第6作 往復書簡
第7作 花の鎖
第8作 境 遇
デビュー作から、滑らかな文章表現をされる作家さんです。
作品を重ねるに従い、更にその傾向は強くなっていると思います。
素晴らしいですね。
この4作品、いずれも読みごたえのあるミステリーです。
たとえば、
「花の鎖」では3人の女性が語る三つの物語が平行して進みます。
三つの物語の登場人物を整理することが、ミステリーを解くカギになると考え、全6章のうち第4章終了時に紙に「人間関係図」を書いてみました。
これにより、ほぼ解明だ・・・と思ったのですが、とんでもありません。
重要な伏線をいくつも見落としていて、終盤の回収に翻弄されることになりました。
そして、見事な「着地」
湊かなえさんは、人の心理というか人のひだというか、日常の後ろ側で蠢くものを淡々と描き出していきます。
この辺の容赦のなさが、「アトミス」「イヤミス」と言われる由縁なのでしょうか?
一方、「境遇」は、詳細は控えますが、心温まるハッピーエンドです。
これでもなお、「アトミス」なのでしょうか?
全作品読破を目指すという、ストーカーチックなワタクシです。
この先も、愉しませていただきます。