このミステリーが凄い2024年 第4位
愚者の街 ロス・トーマス著
原題 THE FOOLS IN TOWN ARE ON OUR SIDE Ross Thomas
著者は米国のベテラン作家で、1926-1995年とあり、翻訳が最近ということでしょうか?
話の時代は、日中戦争さなかの志那にはじまり、大戦後のアメリカ西海岸が舞台。
海外ミステリーにつきものの”文化等その国の事情”が少し多めに出てくる作品で、細かいことを言えば、注釈が欲しい部分もないではありませんが・・まあ本筋には影響はないか・・
ワタシの苦手な、バイオレンスとセックスもそれなりにあります。まあ、これも仕方ないか(笑)
登場人物の思惑の錯綜のなか、快調なテンポで読ませます。
ただ・・ただですね・・第40章からの残り50頁が怒涛の展開になると思いきや、私にはちょっと物足りなかったです。
おっと、自分の読解力はさておいて、こんなことを言ってはいけませんね。
どなたか、「そんなことないよ」と教えてください。
これで、海外編の1位から5位を読んだわけですが、
ミステリー誌順位
1 頬に哀しみを刻め
2 ナイフをひねれば
3 処刑台広場の女
4 愚者の街
5 トゥルー・クライム・ストーリー
全作品、とても愉しめました。
一番の好みは「処刑台広場の女」でした。
それにしても、海外ミステリー作品は長いです。
5作の平均頁数は593頁でした。700頁クラスが2作ありました。
コクのある作品に仕上げるのには、600頁前後が必要なのでしょう。