紫陽花③
全作品を読みたいと思っている 湊かなえミステリー
第9作品 サファイア 2012年
第10作品 白ゆき姫殺人事件 2012年
7編の短編集 一つの長さは約40頁
「俺は短いのが好きだ」 by マイク・タイソン
ちなみに、マイク・タイソンは、早いラウンドでのKO勝ちが続くことを聞かれての言葉です。ボクシングの「試合時間は短いのが好き」という意味です。
本題に戻ります。
それぞれ、切れ味がありますがが、5番目の「ムーンストーン」が心温まるストーリーと思う間もなく6番目の標題作「サファイア」で目を開かれ、7番目の「ガーネット」に流れ込みます。
まさか、1から7まで全部が繋がっているということではありませんよね?
白ゆき姫殺人事件
ロードノベルのように、快調なテンポでスリリングに展開していきます。
機関銃のように言葉が行き交います。
その言葉のニュアンスは清水義範さんを連想させます。
これは好みです。
第11作品 母 性 2012年
第12作品 望 郷 2013年
母 性
永遠のテーマを上手に書くなあ、と思います。
展開に、鋭いヒネリが入っていて、読ませます。
ただ、不満という訳ではないのですが、母性という普遍的な題材のせいか、何となく、既読感がないわけではありません。
何作品も読んでくると、作風や展開に慣れてくるということも関係している・・か?
望 郷
”瀬戸内海にある島”ゆかりの人物が主人公で登場する6作の短編集
各編50頁足らずの長さなのに、濃い話になっています。
短編は、オーディオで言えば、情報量の少ない内容になって物足りなさが残ることがありますが(ワタシはですよ)、この短編集はそうではありません。
プロに対して失礼ですが、本当に構成力の高い作家さんだと感じます。