ジャズとテニスの雑記帳

ジャズ・テニスそしてオーディオやミステリーについての日常を綴ります

川上未映子 その3

川上未映子の作品、次の2冊です。

 

と、その前に、お詫びと訂正です。

前の記事で、

「先端で、さすわ、さされるわ、そらええわ」

「水瓶」

の2冊を「短編集」と紹介しましたが、正しくは「詩集」でした。

著者の紹介欄を見て気が付きました。

「詩」だったんですね。

詩のように、あるいはラップのように読んだのは、まあ、間違いではなかったということかな?(開き直るな!)

 

 

愛の夢とか」は、7編の短編集。詩集ではありません。

一作品あたりの平均頁数は25頁

初出時期は、2011年早春から2012年6月

 

ウィステリアと三人の女たち」は4編の短編集。

こちらの一作品あたりの平均頁数は42頁

初出時期は、2014年春から2017年8月

 

興味深い作家さんだなあと思います。

 

日常生活、ごく普通の日常生活における心理や他者との関係に極めて敏感で、独特の鋭い皮膚感覚を持っているために、現実世界が歪んでいくような作品群です。

 

「ヘブン」のようにストーリーがあり構造もある作品と違って、今回の2冊の作品群は、かなり風変わりな展開のように感じます。

 

そのせいかどうかわかりませんが、図書館で借りた本が、頁をめくった形跡が少ないように感じます。新刊みたいに固いのです。

 

それはともかく、私は、こういう、場の歪みにリアリティを感じます。

それと、この作家さん、作品だけでなくリアルなBを感じさせます。でないと書けないと思います。

 

私は、「川上未映子 その2」で、病的な感じは薄らいだと書きました。

が、ちょっと間違っていたかもしれません・・・軽々には言えませんが、〇気らしきものが漂っています。

 

川上未映子を読もうと思って選んだ著作は、あと3冊です。

恐くなってきました。