知人の影響で、ある作家や作品を読み始めることがありますよね。
そういう方のひとり、「沖縄で島猫と暮らす日々」のブログ主さん。
お歳は、私より一回りくらいお若いようです。(この方、年齢公開です)
「IT技術者として激労し現在は沖縄で隠居しています」と自己紹介にあります。
もちろん面識はありません。私がブログを拝見して刺激を受けているだけの関係です。
この方、しばしば、本の紹介をされています。
その紹介に、度々登場する川上未映子さん。
1976年生まれ。70年代中頃、私の子供の世代です。
(年齢にこだわる性格ですみません。年齢や世代・時代は結構重要な要素にしている方なので)
川上未映子、そんなに面白いのかな、と検索して9冊を選び、発表順に読むこととしました。
1冊目は
「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」
2008年1月発行
2冊目は
「乳と卵(ちちとらん)」 2008年2月発行
「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」は短編集です。
文体が独特で、詩を読んでいるような、中島みゆきの歌を聴いているような、不思議な感覚に包まれます。
浮遊感みたいなものも感じます。浮遊感と言っても、気体の中に浮くというよりも、もっと濃い、液体に近いものの中で浮かんでいるという感じです。
エキセントリック好きの私には、ちょっと気になる作品です。
病的とも感じますが、作家で病的でない人はいません(個人的見解です)。
「乳と卵」は第138回芥川賞受賞作品です。
芥川賞だからどうということではありません。
かなり短い小説なので、驚いただけです。
といっても、「奇妙な仕事」など、芥川賞は短編が多いですね。
「限りなく透明に近いブルー」は例外の方か?
「乳と卵」は文体が普通?に近くなっています。
この人の文章には余分な文字がありませんね。
低脂肪の文体。
ある夏の三日間の、妹である私と姉・姪の物語です。
自分が、同じアパートの住人になったようなリアリティがあります。
どちらの本の作品も、囚われそうな小説です。
毒(と言っていいのかな)があります。
私のようなヤワな人間は、あまり沢山読まない方がいい作家さん、かもしれません。
なお、ネット上には「川上未映子」に関する情報が数多くあると思いますが、一切見ないようにします。
作品だけで考えてみたいと思います。