私が楽しんでいる趣味のテニスでなく、世界を舞台に闘っているプロテニスプレイヤーについてです。
どのように過酷か、いくつかの視点から考えてみます。
ひとつは、練習も試合もきついということです。
今年の全豪オープンの男子決勝は5時間半の死闘でした。
ナダル、メドベージェフの両者ともに、チャージする機会を探り合う死闘でした。チャージに失敗すれば、レベルが落ちて敗れる・・という消耗戦だったと思います。
2012年のジョコビッチとナダルの決勝はほぼ6時間の闘いになり、表彰式では、スポンサーのスピーチ中に、二人とも立っていられなくなり、急遽椅子が運ばれてきました。
激しい試合が終わり、アドレナリンが止まったことによる痙攣のようでした。
どのスポーツでも練習はきつく、特にシーズン前には激しい練習を積むことになります。
テニスは試合そのものも、全豪の例のように過酷です。
野球の試合はテニスほどには消耗はしないと思います。
野手で年間約140試合、投手で25試合くらいでしょうか。
上位のテニス選手は60から80試合です。野球の投手に近い運動量で試合数は倍以上になります。
野球の投球は、生身で球速150㎞、テニスのサーブはラケットで200㎞、単純には比較できませんが。
ふたつ目の過酷な側面は、シーズンの長さとツアーにあります。
シーズンは1月から11月で、しかも、ほとんど一年中移動しています。
世界のあちこちに行きますが、ホテルと試合会場の往復の毎日だそうです。
時差調整の問題、家族と離れている期間が長いなど解決しなければならない問題が多くあります。
そして、みっつ目として、英語力がないと移動も試合も進みません。
テニスは英語が公式語です。世界中を動くにも英語は必須です。
最後にテニスは孤独な競技です。(シングルスの場合)
試合時間は長く、コーチングは禁止されています。
観客席の陣営に向かって、選手が何を叫ぼうが問題はありません(禁止用語はダメ)。
が、陣営から、言葉や身振りが発せられると、コーチングのペナルティが課せられます。
テニス選手は、コートに出た後は、巨大なスタジアムの中で、長時間自分一人で闘うことになります。
このことは、とてもとてもタフなことなのではないかと、私は想像しています。
プロテニスに付随する、これらの過酷な要素も、日本からなかなかトッププロが出てこない大きな原因なのかも知れません。