ジョコビッチの4回戦。
ルーネを完封
ジョコビッチの強さは、心技体の基礎テニス力が高いことの他に、戦術の実行力の高さにあると思います。
ゲームを進めながら、対戦相手の本日のデータを整理して、最善のショットを繰り出しいく。
これは堪りませんよ!!
で、ジョコビッチを倒す方法です。
これまで、誰がどうやって倒してきたかを考えてみましょう。
フェデラーの戦術
徹底的にスピードで圧倒する。
サーブ、リターン、展開、すべてがハイスピードなフェデラーでなければできない戦術
ナダルの戦術
ラリーの中でオープンコートをつくって優位に進める。
ナダルは、フォアからもバックからも高回転のトップスピンでジョコビッチのバックを攻める。
ジョコビッチがフォアの回り込みに展開した時は、一転してフォアサイドを攻める。
左利きならではの戦法ではあります。
今のところ、ジョコビッチに対抗したのはこの二人しかいないのです。
対フェデラー 27勝23敗
対ナダル 30勝29敗
ヤニックシナーとカルロス・アルカラスはどうか。
対シナー 4勝3敗
対アルカラス 3勝2敗
シナーはジョコビッチに勝った時はジョコビッチと同質のテニス、アルカラスはフェデラーとナダルの戦法のハイブリッド・テニスをしています。
そういう意味では、対ジョコビッチの新しい戦術の選手と言えると思います。
二人とも、ジョコビッチに勝ち越してこそ、新世代選手としての意味があります。
さて、現実に戻り、準々決勝のデミノー・準決勝のフリッツはどうすればジョコビッチをを倒せるか?
可能性はあると思います。
ひとことで言えば、「単純にならないこと」です。
ジョコビッチは、ここぞというところで、スピードも回転もコースも自在に変えてきます。
このプレイの幅の広さに他の選手は対抗できないわけです。
デミノーもフリッツも、残念ながらジョコビッチ以上の多様性は持っていません。
しかし、先手を打って多彩に(後述しますが、多彩に見えるということが大事)攻めることによって、ジョコビッチのコンピューターは演算を始めます。迷いが生じます。負けていく選手がするように。
それを、中盤・終盤と続けなければなりません。
本当に多彩な戦法を駆使することは簡単ではありません。
多彩に見えるように駆使することが大事です。
疲れて、単純にならないことです。体力要るし、大変だなあ・・・
こんなこと、コーチの皆さん、当然考えていますよね。
おあとが宜しいようで。
今日は、トップハーフの好カード2試合ですね。
シナーとアルカラスに勝ってほしいな。