ジャズとテニスの雑記帳

ジャズ・テニスそしてオーディオやミステリーについての日常を綴ります

オーディオ備忘録 55 ジャズ喫茶「ベイシー」の思い出 その1 訪問

ジャズ喫茶「ベイシー」店主 菅原昭二さんの著書

サウンド オブ ジャズ! JBLとぼくがみた音

 

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この本は、STEREO SOUND誌に連載された記事を中心に構成され、何回か出版されています。

私の持っているのは2007年発行の文庫本。あとがきや解説が新しくなった版です。

あちこちに付箋(私の)が貼られています。

 

私は20歳前からオーディオへの関心がありましたが、現役時代はそうそうのめり込むことができるわけではありません。本格的にスピーカーの音に耳を澄まし始めたのは宮仕え終了後です。

そんなオーディオファンの羅針盤たる一冊です。

 

1970年代から、JBLのシステムを使い、圧倒的なジャズサウンドを出していると、全国に鳴り響いていたジャズ喫茶「ベイシー」サウンド

 

ジャズオーディオファンとしては一度は聴いてみたい音でした。

しかし、当地の静岡市岩手県一関市は同じ東日本とはいえ、決して近くはありません。直線距離で500km余。

ベイシー訪問だけを目的に行くことは、家族4人を抱えた勤め人の経済では許されませんねえ・・・そこはまあ・・運よく福島県への出張があり、その翌日に有給休暇を使って足をのばすことができました。

1980年頃のことだったと思います。念願のベイシー詣や!

 

夜に一関に着き、駅前の居酒屋で地元の情報を仕入れます。旅先の酒は何故旨い!?

 

翌日、雑誌の写真で見覚えのある「ベイシー」に開店時間前に到着。

店の前でボーっとしていると、難しそうな顔の男が・・・店主菅原昭二さんでした。

 

「なに!静岡から! すぐ開けるよ」と嬉しいお言葉。

静岡のお茶を土産に差し出したからではないと思いますが、アート・ペッパーのレコードに合わせたマスターのドラム演奏を聴くことができました。

 

また、岩崎千明さんや西条和尚の訃報にふれ、「いい人はどんどん亡くなっていく」と寂しそうにされていたこと思い出します。

 

ベイシーサウンドは・・・

極めて自然なサウンド。音のことは忘れて、ジャズに聴き入ってしまうサウンドだったと記憶します。

店の中で知り合った、学生とおぼしき青年も「いい音ですねえ、演奏を聴いちゃいますね」と、私と同類の感想でした。

 

音を聴きに行って、音楽に没頭してしまう! オーディオの原点ではないでしょうか。

 

オーディオマニア度の低い私は、良くやります!

「どう?」と聞かれて、「エッ?」。そうです、マニアのサウンドを聴かせていただいているのに、音はあまり聴いていないのですねえ・・・

 

それはともかく、その後まもなく、私もJBLを購入することになりました。

 

新シリーズでは、菅原さんの著書「サウンド オブ ジャズ」を読み返しながら、ジャズサウンドに思いを馳せていきたいと思います。