川上未映子さんが村上春樹さんに新作を中心にインタビューした本
「みみずくは黄昏に飛び立つ」 2017年4月発行
異業種間のインタビューは、噛み合わなかったり、忖度し合ったりで、深まらない場合が多いように思います。
この本は同業種、嚙み合ってます。
川上未映子さんの準備と突っ込みが素晴らしいです。
そのため、村上春樹さんの小説ができていく様子や、作家の心理を感じることができて、その結果、村上作品の性質が浮き上がりました。
ファンでしたら必読の一冊です・・・ファンは当然読んでますね(笑)
ファンでない人にとっても、納得の一冊になると思います。
私は、川上未映子さんのファンですが、村上春樹さんのファンでない方の人間です。
読んだ小説は数冊
読み始めて止めたというのが何冊か。
私には、村上春樹さんの文章は性に合いません。
気の利いた、お洒落な文章表現だと思いますが、私には”過剰”です。
どうも、恰好が良すぎます。
この方は、人間の闇を描くという、文学の王道の作家だとは思います。
ただ、物語が自由過ぎて、ミステリー好きの私には、構造と着地の感覚が曖昧に感じます。
おっと、これは違いますね。
純文学の分野ですから、そこからが読者の腕の見せ所になるはずです。
世界的な大人気作家にこのようなことを言うなんて・・・
まあ、場末のブロガーの言うことなんて、何の影響もないでしょう。
もうひとつだけ、この本を読んで感じました。
村上作品(小説)はジャズのインプロビゼイションに似ているな、と。
中でも、モードジャズ、特に、ウエイン・ショーターに。
もしかしたら、これは純文学の特質なのか、とも感じます。
そう考えると、意外ですが、クラシックとミステリーは親和性が高いのかも知れませんね。
また、今回気付いたのですが、村上春樹さんと私は同い年でした。
村上さんは早大闘争の真っ只中の早稲田入学。
ですが、あの時代の香りや匂いがあまりしませんね。
してるけど、鈍感な私には解らない?
村上さんの小説以外の本で読んだのは4冊くらい。
音楽関係ばかりだと思います。
自分の好きな分野、この場合は”音楽の関連本”を読むと、小説を読むよりもグット著者に近寄れますね。
そのうち、村上春樹さんのジャズエッセイの感想を書いてみようかな。
音楽、特にジャズの記事を読むと、思うところが多々あります。
・・・貴重なブログの読者を減らしてしまうかなあ・・・
それはともかく、ますます、川上未映子さんの新作が楽しみになりました。