ジャズファンなら知らない人はいない、ベイシー店主 菅原正二さんの著書(再発版)
付箋をいっぱい付けてあります。ただ、読むときは丸ごと続けて読んでしまいます。
この本を読んで、つくづく思うことがあります。
菅原正二さんはジャズ愛好家の鑑だということです。
ジャズ喫茶店主だから当たり前?
世にジャズ愛好家は数あれど、このような愛を持っている人は少ないと思います。
この本の隅々まで愛が行き渡っています。
氏はジャズ演奏者に「胡散臭い」などということは決して言いません。
このスタンスは、オーディオについても同じことが言えます。
氏はJBL一筋ですが、決して他のオーディオを貶めることはありません。
そして、驚くべきことですが、人間に対しても、このスタンスを維持されているのです。
第35章 音の都合 の項で語られています。
「ここの音はカタイですね」「金属的な音がしますな」というお客の捨てゼリフ話を起点にレコードのレーベルサウンドの話に発展させて、
「”感じる”気持ちには理屈は要らないだろうが、そこまでのお膳立ては全部”理屈”がらみだということを、あん時の捨てゼリフのお兄さん、知ってんのかよオー」
「知らねえくせに! バカヤロー!」ではなく、「考えてみろよ」と・・
これは愛です。
本書は、ジャズファンの方は全員お持ちでしょうから、クラシックファンの方に読んでいただけることを願っております。