錦織圭VS.ルーネ
面白かったですね。テニスの質は錦織選手に見るべきものがたくさんあったと感じました。
錦織選手は、GS優勝こそありませんが、その戦績以上に、テニス史に残る名選手だと、私は思います。
その辺の理由というか根拠を考えてみました。
話は、遠回りになってしまいます(笑)
アンドレ・アガシ自叙伝「OPEN」という本があります。
当然のことながら、この中には錦織圭の記述はありません。
フェデラーについての記述です。
「フェデラーと同世代の選手が気の毒だ」
後に「フェデラーの最大の被害者はロディック」と言われたように、ロディックをはじめ同世代は誰一人敵う者はない、という状況を予言しています。
フェデラーの能力を上げたのは激闘を繰り広げたアガシだと思います。
テニス史はこのあと、ナダル・ジョコビッチの登場によりビッグ3の時代となります。
2014年の全米オープン準決勝で、錦織選手はジョコビッチを3-1で破ります。
この時点で、対戦成績は錦織選手の2勝1敗。
この時ジョコビッチは思ったはずです。
「このままでは圭に負け続ける」
そして、錦織選手以上のバックハンドを身に付けます。
バックハンド以外のすべてで、少しだけ錦織を上回るジョコビッチです。
バックハンドを強化した以後は、対錦織17連勝中です。
ジョコビッチの能力を上げた最大の選手は錦織圭選手だと、私は確信しています。
ここが錦織選手のテニス史における位置なのだと思います。
さて、今は、シナー、アルカラスを筆頭に、ルーネ、フィス等新世代の台頭があり、ジョコビッチも分が悪いという状況です。
さあ、錦織選手の今後に注目です。